「アウトサイダー・アート」とは、精神病患者や幻視家など、正規の美術教育を受けていない
独学自修の作り手たちによる作品を指す。20世紀初頭にヨーロッパの精神科医たちによって
「発見」されたこの芸術は、パウル・クレー、マックス・エルンスト等の前衛芸術家たちにも多大
な影響を与えた。戦後にはフランスの画家ジャン・デュビュッフェがヨーロッパ各地から作品を
収集し、それを 「アール・ブリュット(生の芸術)」 と呼んで賞賛したことから「価値」が高まった。
近年、日本でもそれらの作品への関心が急速に高まりつつある中で、モダン・アートが置き忘
れた「もうひとつのアート」の魅力に迫る。 (カバーコメントより抜粋) |
実に嬉しい。相方の弟くんが本を出した。しかもなかなか日本では詳細まで紹介された本がない
「アウトサイダー・アート」について書かれた本である。
わたしはJACK OR JIVEを組んだ頃、自分の中に感じられる魂への振るえを芸術の中にあると
感じ始めていた。そして、相方より見せてもらった1枚の絵葉書によって「アウトサイダー・アート」の
存在を知ることになったのだ。丁度今から15年前になる。
その頃弟くんはまだ大阪大学の学生をしていて、一緒にジャンデュビュッフェの展覧会に
出かけた事があった。この時も絵の材料について詳しく教えてもらったのを記憶している。
そんな彼も日本ではまだまだ広まりを見せていない「アウトサイダー・アート」の紹介を
美術界に論文発表しないといけない事をひょうひょうと話していたものだ。
しかし、今こうして展覧会の企画や専門知識本を出版するまでに至り、実に感動をしたのである。
わたしはこの「アウトサイダー・アート」の美術書のコレクターだからだ。ヨーロッパに出かけては
必ず5〜10冊は購入してくるのだが、ドイツ語・フランス語などまったくもってそこにかかれた説明
など読むことも出来ず、絵を見て楽しむ事に徹してきた。唯一日本でこの手の詳細を知る事が出来
たのが芸術新潮のグギング特集や、また彼の企画した展覧会などの図録での解説文ぐらいである。
とにかくこの「アウトサイダー・アート」が一体何なのか?は作品に触れる事が一番であり、
そしてより深く知るためには、それら作者のデータが必要なのである。なぜこのような絵を
描き始めたのか、絵だけでは伺い知る事は決して出来ない。よって、作者のデータをほんの
かけらでも収集出来れば、作者の境遇や環境などいかにして精神構造がなされたのか、
イマジネーション出来る要因はあるのだ。
わたしの望みも叶い、今こうして郵送で送られた書物は飾り気のないシンプルな表紙だけども
中身はとっても濃い内容になっている。芸術そして絵に興味のある人には、是非購入してほしい
本なのだ。この本を手がかりにして「アウトサイダー・アート」を知る機会を多くの人に持って
いただければ、わたしは本当に幸せな気持ちに至ることだろう。
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writing by chako
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服部 正(はっとりただし)
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1967年兵庫県生まれ。兵庫県立美術館学芸員。大阪大学大学院文学研究科西洋美術史専攻修士課程修了。
企画した展覧会展覧会に「アート・ナウ98ーほとばしる表現力ー」(兵庫県立近代美術館)、「アート・ナウ2000
−『なごみ』のヒント」(同)、「エイブル・アート99:このアートで元気になる」(東京都美術館、共同企画)、「21世紀
アートのエネルギーをみる」(2001年0美術館他、共同企画)などがある。 |